FileMaker Go 開発・利用者の為のiOSアプリ構築ハンズオン(day2)

FileMaker Go 開発・利用者の為のiOSアプリ構築ハンズオン(2)


2025/2/24 13:30 札幌市生涯学習センターちえりあ

FileMaker 開発者の日常意識の変革

日頃、FileMaker Pro を利用してiOSでの実行環境である FileMaker Go アプリを提供している開発者が、よりネイティブアプリに近い環境での開発体験を通じてiOSアプリの動作の理解を進めることを目標としたハンズオン。FileMaker GoアプリをFileMaker Pro アプリのiOS動作版と捉えてしまいがちな、FileMaker アプリ開発者向け。利用者想定がFIleMaker アプリ利用者、と捉えるのであればFileMaker ならこう、という意識を前提にした動作なども許容できるものの、iOSアプリとして、iOSユーザーを利用者想定とするなら、iOSの流儀に従わないと、ユーザーからは「なんか変」という評価となる。そこで、そもそもiOSアプリはどう作るのか、という基礎を学びつつ、FileMaker Goアプリの効果的な構築手法を学ぼう、というのがこのワークショップの趣旨。講師として、主催のDBPowers のビジネスパートナーである、ソーコネクト社より井口氏を招聘しての基礎編は番外編を含めて全4回を予定しており、今回はその第2回、前回の復習を踏まえながら、画面で入力した情報を格納することを実践。


前回の終了後、平日のお昼時間帯にオンラインで初回の欠席者並びに振り返り希望者に2回に渡り各50分間の復習会、加えて、本日開講前にも直前復習会をこのシリーズの選任講師であり、弊社との業務上パートナーである有限会社soconnect の井口氏にご担当いただいた。参加者は限定的であったものの、記憶の定着にもなるこうした時間を復習会として開催してもらえたことは、iOSアプリ開発の経験がほとんどない身としては非常に効果的な時間となった。


丁寧な学習支援を相互にできることを目標に前回同様、定員を8名と比較的に少人数に設定しているこのワークショップの参加は、今回からの新規参加も3名あり、前回同様8名枠が全て埋まる満席での開講。

今回どうしても都合がつかず欠席になる旨ご連絡をいただいた方も複数名いたため、次回の第3回をどう設定するかが早速課題となっているのは嬉しい悲鳴。13時半からの開始の前には参加者が全て揃ったために、若干時間を前倒しして開講。最初の30分を前回の復習時間として、一気に振り返りって記憶を呼び戻した。


今回の大きなテーマは「Swift Data」を利用した入力データの保存、格納。FileMaker開発者の感覚ではテーブルやフィールドの作成、設定であまりにも馴染みのある処理だが、そこはXcodeでの構築で、ルールも処理も異なる。井口講師の例題でFileMakerでの開発経験を活かせるようなサンプルを提示してもらいながら理解と手作業を進めた。

 


FileMakerで開発する際には、レイアウトデザインを先にするにしても、データ構造をどう設定するにしてもそれほど混乱する、という感覚はFileMaker開発経験のある立場からはそれほど強く持つことは多くはないかもしれない。一方で、今日のメインのセッション内容であるデータ格納をSwiftで構築するには、一行一行をコードで書いていくことが基本になる。データを作って、格納していく為にも、変数や定数、あるいはその属性を宣言、指定したり、処理順を考えながら書き込んでいく、これらが全て、一行、一行のテキストでの記載が必要となる。こうした所謂プログラミング記述に慣れた人には特段難しい話ではない、とは思うものの、ことFileMaker開発をメインにしてきた経験者には相当敷居が高く見えるのは当然のことと思える。

 


一方で、Apple Interigence を中心にしたコード開発環境は、昨今の生成系AIでの支援も容易にうけることが可能な環境でもある。講義セッションの最中にあっても、記載している内容を更に拡張したり,記述に不確かな内容が有る時にはその内容を生成系AIに問い合せをしながら、コードを補完、或いは新たな記述を追加、修正ができる。

異文化交流?開発スタイルの違いを実感

FileMaker環境での開発とはおそらく対極にあるXcode+SwiftUIでの開発ではあるが、Appleならではモダンな開発環境の提供により、記述方法の困難さを改善し、rest of the world のeverybody can code を実現しようとする心意気をかいま見ることができる思いがする。
世界中に存在するiOSユーザーの大半が利用するiOS Naitive Appは、こうしたコードを書くことで実現している。書いていけばいくほどに、いわゆるiOSのガイドラインに沿うような記述が候補として提示、補完されていく。書くべきコードは、本日、講師の井口氏に用意してもらったテキストからのコピーペーストで、明確に理解はできていなくとも、基本的な記述はできる。その記述されたコードの横ではiOS上で表現されるPreviewが表示される。FileMakler開発とは明確に異なる開発流儀であるものの、見様見まね、生成系AIの支援、隣に座る一緒に学んでいる者同士での情報交換で、エラー表示を解消し、新たな記述を加え、教材テキストの流れに沿って、進める。

 

 

わからなくても大丈夫

「わからなくても大丈夫なので、そのまま写経のようにコードを書いて実装しようくらいの気持ちで受講してください。そのうち慣れます。」


今日の講習の始まりに際し、井口さんからあった、上記コメントで、開始時には相当ドキドキしたが、約3時間のセッションで、意外とすんなり最後まで到達できたのは、多少は慣れたのかも、という雰囲気が会場に溢れていたのは、講師の力量と参加者の方々が難しいながらも楽しんで新しいことを学ぼうとする意識の現れなのかもしれない。終わってみれば結構な内容を学んだ3時間。次回は3月16日。それまでにはまた復習会の開催を踏まえてしっかりと準備して臨みたい。

 

次回は、3/16。朝09:30開講です。